バス釣り界のレジェンド田辺哲男さんが炎上しました。twitterから始まり、ネット上で荒れています。釣りに例えるなら、とても釣りにならないほどの強風「ババ荒れ」でしょうか。 原因は「タバコのポイ捨て」 タバコのポイ捨てごときで、といったら語弊がありますが、なぜこんなに炎上したのでしょうか。その真相に迫ります。
はじめに断っておきます。僕はポイ捨て自体を擁護するわけではないのですが、田辺哲男さんを非難するつもりはありません。田辺哲男さん個人を非難するだけでは何も得られるものがない、この件の着地点は、僕たちアングラーが釣り場を守ることの意識をより高めて行くことにあると考えています。
問題のタバコポイ捨て動画
田辺哲男さんと吉田遊さん vs 吉田撃さんと伊藤巧さんで2日に分けて津風呂湖で試合するという動画。ライン「シーガー」で知られるクレハさんがアップされた動画です。 問題の2日目で既に削除されていますが、1日目の動画はまだアップされています。 よって、2日目の問題のシーンは画像でご覧いただければと思います。

田辺哲男さんと同船していた吉田遊さんにバスがヒットしました。

吉田遊さんが「おー!デカい、デカい」と言いながらファイトしています。 それを聞いた田辺哲男さんが急いでルアーを巻き取りロッドを地面に置き、ランディングを手伝おうとしたその時、、

お分かりいただけたでしょうか?

そう、よく見ると右手から白い物体が放たれているように見えます。

たしかに、タバコらしきものを投げ、水面に落ちました。 ツイッター上でこのシーンを「タバコのポイ捨てでは?」と指摘するツイートがあり、騒ぎが広まりました。ツイートされたのは2018年9月20日です。
「なんだそれだけ?!」と思ったあなた! はい、それだけです。これ以上読んでいただく必要はありません(笑)
田辺哲男さんの謝罪文
2018年9月20日のツイートから騒ぎが広がり、しばらく日数が経過してから10月3日に田辺哲男さん本人がノリーズ公式HPにて謝罪文を発表しました。
皆様へ 今回、動画撮影中にあわてた場面においてタバコを湖面に投げてしまった件で、多くのファンの方々にご心配をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。 火種を含む先端部分だけなら自然を害することはないだろうと個人的に思い込んでいたがゆえに起こしてしまった私の軽率な行動で、釣り業界全体の皆様にご迷惑をおかけしてしまった事、そして多くの方々に不快な思いをさせてしまった事に対し、深くお詫び申し上げます。 今後このような事がないように十分気をつけると共に、釣り人を牽引する立場の人間として自覚を持った行動を行い、実体験を通して得たしっかりとした道徳観の普及に努めてまいります。 この度、皆様からの貴重なご意見をいただきましたことにお礼申し上げますとともに、重ねてお詫びいたします。 平成30年10月3日 田邉哲男
出典: ノリーズ公式HP
「火種を含む先端部分」とあります。 ただ、動画では明らかに白い物体が捨てられていますので、火種を落としたわけではなく、フィルター部分をちぎってフィルターから先端のみを捨てたと言うこと解釈で良いのでしょうか。 タバコを吸われない方はわからないかもしれませんが、フィルターより先端は薄い巻き紙とタバコの葉です。フィルターさえ捨てなければ、巻き紙とタバコの葉は地に還るから良いと言う認識の方もいます。
だからといって捨てて良いわけではありません。タバコの葉にはニコチンが含まれていますので多少なりと水質汚染に繋がります。
なぜここまで炎上するに至ったのか?
バス釣り業界は、ブラックバスが特定外来生物に指定された以後、とても厳しい状況におかれています。各地で釣り場が失われ、ブラックバスのリリース禁止のルールが設けられるフィールドもあり、どんどん肩身が狭いものとなっています。
そんな状況にも関わらず、一部のバスプロやメディアプロはそういったナーバスな部分に触れようとしませんが、田辺哲男さんはあえて声を大にしてアングラーに訴えかけているプロの一人でした。普段ボートで釣りをする田辺哲男さんがあえてオカッパリの試合である人気企画「陸王」に出演した理由も、多くの人が観るであろうメディアだからこそアングラーに伝えたいことがあるという理由でした。
「どのルアーが凄いとか、俺からすれば二の次。5年後や10年後に日本からバスを守ってくれる場所がなくなったら、ルアーなんて役に立たない」と語っています。 日本では「釣り=食べる魚を食べるため」という考え方が一般的ですが、バスはゲームフィッシュとして釣ることだけを目的として対価を支払える対象であるという点に着目し、その経済効果を利用してフィールドを守ろうという提案をされていました。
具体的には、漁業権を購入する制度を推奨、レンタルボートやレンタル自転車を積極的に利用するなどが挙げられます。 であれば、フィールドを守るという点で、ポイ捨てはもってのほか。 明らかな言行不一致であるということで、ここまで炎上しているとみられます。
伊藤巧さんの対応
ノリーズのスタッフとして、とっても真摯な対応が印象的でした。
今回の動画の件で田辺さんから正式な声明が出ました。自分もいちアングラーとして、今後の行動により一層気をつけていきたいと思います。対応が遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした。https://t.co/2khO6qAF4u
— 伊藤巧 (@takumi_no_oheya) 2018年10月3日
上のツイートに対して大量のリプが寄せられましたが、その全てに一人ひとり文章を変えて丁寧に返信されています。 あまりの丁寧さに感動すら覚えました。
炎上と田辺哲男さんを非難する意見
ノリーズ宛にメールされた方までいらっしゃいます。 シーガーを使っていたけれど「これからはFCスナイパーに乗り換えます」などといったリプもありました。
イラついたからノリーズにメールしたらホントにやってたみたい。
— しょーやん@ビワコ (@sho_yan113) 2018年9月27日
これだからバスプロは嫌いや。
ノリオ最低だわ。#ノリーズ #田辺哲男 #バスプロ pic.twitter.com/RU6XQMUR3a
そのお気持ちはよく分かりますが。。。 謝罪文も出されていますが、さらに、今回問題になった吸い殻一つを大きく上回る100本以上の吸い殻を含めた大量のゴミ拾いでもされたら、非難しているアングラーも納得できませんかね。。うーん。
田辺哲男さんを擁護する意見
ネット上では非難の声が圧倒的に多かったのですが、一方で擁護する声もありました。
#田辺哲男
— TOMO (@tomo_iguchi) 2018年10月2日
炎上してるけど
解説も丁寧でわかりやすかったなぁ
田辺哲男は何度でも蘇る!
頑張れ哲男! https://t.co/RJNrhgOl2B
ノリーズ 田辺哲男氏のタバコポイ捨て問題。
— ほげほげFishing (@HogeHogeFishing) 2018年10月3日
本人の謝罪文が公開されました。
いろいろなご意見があるかと思いますが、個人的には今後も応援していきたいと思います。#ノリーズ #田辺哲男 https://t.co/03QevMpaI4
まとめ・個人的な感想
躊躇なくタバコをポイ捨てしているように見えたことから、「普段の行動の表れでは? 普段からポイ捨てしてるのでは?」という意見も多く見られました。 僕は、いくつになっても子供のように釣りを楽しむ田辺哲男さんだからこそ、とっさに釣れた大きなバスへの興奮から気が緩んで捨ててしまっただけであり、普段はポイ捨てなどしていない、と信じたいです。今回の騒動で、レジェンド田辺哲男さんを軽蔑するとか、ノリーズが嫌いになるとかそんなことは決してありません。
さらに言うなら、ポイ捨てなんか絶対しないというあなたも、自らポイ捨てしなくても根掛かりによってルアーや釣り針を水中に残してしまった経験があることでしょう。 真相はわかりませんが、もし単なる気の緩みであるのならネット上のバッシングは少し行きすぎた非難であると感じます。 とても残念なニュースですが、良くも悪くもタバコの吸い殻ひとつでこんなにも問題になったという事実は、バス釣りアングラーの記憶に深く刻まれたことと思います。 これ以上バスフィッシングが肩身の狭いものにならぬよう、みんなで意識を高めて行きたいですね。 冒頭でも書いたように、個人を非難することを目的としてしまうのではなく、この一見を通して、バス釣り業界全体で釣り場を守っていく意識をより強くするきっかけになると良いなと願います。
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