各地で見つかっている外来種のセアカゴケグモ。メスには毒があり、噛まれると全身症状が出る場合もあり、海外では死亡例もあります。
全国で発見されていて、小学校のプールで見つかった事例などもあるので、怖いですね〜。琵琶湖で釣りをしていてもフェンスに「セアカゴケグモに注意!」と看板が貼られています。
セアカゴケグモってどんなクモなのでしょうか。どんなことに注意したら良いのでしょうか。
目次
セアカゴケグモの日本分布
オーストラリアやニュージーランド原産の外来種で、特定外来生物に指定されています。貨物などに紛れて日本に持ち込まれたとされ、1995年に大阪で見つかって以来、現在では日本各地で定着しつつあります。
上の図の赤色部分の地域全域に分布するわけではありませんが、かなり広い地域で確認されています。SNSでも多数報告されていますね。
セアカゴケグモらしいです(=`ェ´=) 見つけたら自主的な駆除らしいです(=`ェ´=) お子様がいらっしゃる場合は刺されないようにお気をつけて。 こんな身近にいるなんて(=`ェ´=) pic.twitter.com/XIjamvyeRf
— しょへ@phase2とSxAxL_gt (@shohei_p2_SxAxL) 2018年9月24日
これって セアカゴケグモよな😅💦 びっくりしたー😭 pic.twitter.com/H2wNdeh64B
— 虎丸@Freiheit【隼】 (@Atushi1020) 2018年9月19日
セアカゴケグモの特徴。オスとメスと幼体。
メスの特徴
出典: 京都市博物館
メスの大きさ | 12〜15mm |
足を広げると3cmほど。足が細長く、腹部が丸っこくて特徴的な球型をしています。腹部に赤色の砂時計のような模様があり、いかにも毒グモって感じのわかりやすい見た目をしています。
メスは、a-ラトロトキシンという神経毒を持ちます。オスの特徴
出典: 京都市博物館
オスの大きさ | 3〜4mm |
オスも、メスと同様に赤色の模様がありますが、腹部がメスよりも細長く、だいぶ小型です。オスは、在来種のクモと見分けがつきにくいですが、毒性はないので慌てる必要ありません。
セアカゴケグモの生息地と巣
日当たりがよくて、昆虫などの餌が多い場所に生息します。排水溝や側溝の内部、フェンスの下部、壁の隙間などですね。
人間が作った構造物の比較的地面に近いところを好みます。
人間の生活圏内にも適応し、都市部でも発見されています。自宅の庭の花壇などのブロックの穴の内部、エアコン室外機の下、外に置きっ放しのサンダルの中などが要注意です。洗濯物などを通して室内に侵入するなどして、室内で噛まれた事例もあります。
夏が繁殖期なので行動が活発になるため、7〜9月に発見されやすいのですが、自動販売機の底などは冬でもあったかいため、発見されることがあるといいます。
自動販売機の下に落ちている小銭を集めていた僕のような子供が心配です(笑)
穴や隙間に強い糸で綱を張り、引っかかった虫を捕食しています。
出典: 京都保健衛生教会
左図のようなよくあるクモの巣ではなく、右図のようなゴチャっとした巣を地面に近いところに作ります。
セアカゴケグモの卵と幼体
卵の特徴
出典: 橿原市公式ホームページ
セアカゴケグモの巣を見つけたら、近くに卵がないか確認してください。「卵のう」と呼ばれるクリーム色の玉状の袋の中に、卵がたくさん入っています。一つの卵のうの中の卵の数は、数十〜200個。寿命は2〜3年ですが、その一生の産卵数はなんと5000個。産卵後、約20日で、そのおびただしい数の幼体が卵嚢から飛び出しまうので、卵のうを見つけたら直ちに駆除する必要があります。
ゴキブリ用の殺虫剤などでもセアカゴケグモは殺すことができますが、卵のうの中の卵を殺すことはできません。踏み潰すか、焼き払うという方法が一般的なようですが、ちょっと抵抗ありますよね。
この「クモの巣消滅ジェット」なら卵も駆除できるそうです。
驚きの生態は、交尾を終えたオスは、メスに食べられてしまうことが多いということ!ゴケクモは漢字で後家蜘蛛(ごけぐも)って書くようで、オスが食べられてしまう習性からとった名前なんですね。人間でも子供生まれたら、旦那さんへの愛が失われて死んだようなパパいますよね。
おそるべしメスの力。。。
って、関係ないですね(笑)
幼体の特徴
出典: 橿原市公式ホームページ
幼体は、成体と比べて背中に柄が多く、白い横縞があります。メスの成体に白い横縞は見られませんが、幼体はオスメス両方ともに白い柄があります。メスの赤い砂時計模様がはっきり出るまでは見分けが難しいのですが、腹部がぷくっと膨らんだ特徴は、幼体からも見受けられますね。
見つけたらどーする? 噛まれないようにどーする?
セアカゴケグモを見つけても、慌てふためく必要はありません。セアカゴケグモは、おとなしい性格で、脅かされると死んだふりをして動かなくなるほど臆病な性格で、何もしなければ噛まれる心配がないからです。
でも、決して素手で触ってはいけません。捕まえたりしようとすると、咬まれることがあります。
屋外での作業には軍手などの手袋を着用して、万が一噛まれても、セアカゴケグモの牙が素肌に届かないようにしましょう。ゴム手袋では、牙が届いてしまう恐れがあります。
庭などで発見した場合は、こまめに清掃するなど、クモが住みにくい環境を作るのが良いですね。セアカゴケグモを駆除する方法は、足で踏み潰すか、殺虫剤を吹きかけること。踏み潰す場合は、サンダルNGです。靴を履いて踏み潰してください。殺虫剤は、家庭用殺虫剤でOKです。「ピレスロイド系」と記載のあるものならなんでも効果があるようです。
ただし、先述のように、重要なのは卵を駆除すること。普通の家庭用殺虫剤では卵のうの中の卵まで駆除することが難しいので、卵のうは踏み潰すか、焼いてしまうか、「クモの巣消滅ジェット」のようなタイプの殺虫剤をかける必要があります。
噛まれたらどーする?
攻撃性のないセアカゴケグモですが、靴の中にいて履いてしまった時や、誤って手で触れてしまうと噛まれることがあります。咬まれた時は、針で刺されたような痛みを感じ、その後、咬まれた場所が腫れたり、熱く感じたりします。ただし、日本においては毎年被害が発生していますが、重篤者は出ていませんので、慌てずに対処しましょう。
- 噛まれた傷口を綺麗な流水で洗い患部を冷やします。 (包帯やバンドエードはしない方が良いそうです。)
- クモを踏みつけて殺さず、殺虫剤で殺してクモを病院へ持参してください。
- 傷口を冷やしながら病院へ移動してください。
- 乳幼児やお年寄りの場合は、念のため救急車を呼んでください。
症状がひどくなるのは3〜5時間程度で、徐々に回復していき、完治するのは数日から数ヶ月とされています。