【目撃多数?】ニホンカワウソ絶滅理由と生存の可能性

目撃多数?ニホンカワウソ絶滅理由と生存の可能性



絶滅種・ニホンカワウソを発見したという情報が相次いでいます。確かにニホンカワウソなのでしょうか。 ニホンカワウソについて調べていくことで、次々に生息域を奪われていった絶滅までの悲しい情景が目に浮かびました。 ニホンカワウソについて考えることは、環境保全について考えることでもあると思います。 「どんな動物なのか」「ニホンカワウソの絶滅と原因」「ニホンカワウソは絶滅していない?」に分けて紹介します。

ニホンカワウソとは?

ニホンカワウソは、日本固有のカワウソで、かつては、日本各地に普通に生息していた動物です。 体長64.5〜82cm、尾長35〜56cmといわれています。 尾が太くて長く、頭は扁平で耳が小さく、イタチ科の他の動物と比較すると大きいのが特徴。 ニホンカワウソには、首からお腹にかけて白い毛が生えている点が、誤認されやすいミンクとの分かりやすい違いです。 ※ミンクにも髭のような白い毛が顎の下にあるものがいますが、カワウソのようにお腹までは生えていないようです。 寿命は10年くらいだろうと言われています。 魚、エビ、カニ、カエルなどを捕食し、1日に1kg以上の食べ物を必要とする大食漢だったといわれています。 アユやウナギが大好物だったともいわれ、エビやカニも部分的に食べて、足など食べカスを残すことから、食に関して贅沢な動物だったのもしれません。 完全は夜行性ではなく薄暮性、鳴き声は「ヒューヒュー」と可愛らしい声だとされています。

参考その他のカワウソの種類や、カワウソと似た動物についてはこちらの記事をどうぞ↓
【一覧】カワウソの種類とフェレットやミンク等の似た動物

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2018年9月1日

ニホンカワウソの絶滅と理由

ニホンカワウソは、毛皮を目的とした乱獲環境破壊の影響などで数を減らしました。 平安時代から毛皮として利用されていましたが、特に明治以降、毛皮が最高級品として扱われるようになり、ウソギモが、肺結核の薬として利用されるようになったことから、乱獲されるようになりました。 ※ニホンカワウソは、ウソと呼ばれていました。 北海道亜種と本州亜種がいて、北海道亜種は昭和30年(1955年)代に絶滅、本州亜種は昭和50年(1975)代に絶滅したとされています。 1954年からは、佐田岬から足摺岬にかけてが最も濃密に生息されたと言われ、 日本最後の生息域は、四国西南部の海岸線でした。 1964年3月に国の天然記念物に指定され、同年5月に愛媛県の県獣になりました。 愛媛県における昭和40年(1965年)代の生息地は、佐田岬半島の先端部の阿弥陀池、八幡浜市大島の竜王池、三浦半島・由良半島・船越半島の3地域とされます。

佐田岬半島

阿弥陀池

阿弥陀池という池が、淡水池で豊富な餌となる魚がたくさん居て、ニホンカワウソが生息していましたが、みかん畑の消毒の廃液が池に流れ込み、農道が池の周辺にできるとニホンカワウソは姿を消してしまいました。

八幡浜市

八幡浜市の地大島にある竜王池、八幡浜市大島の三王島、八幡浜市川上町上泊で確認されていますが、1972年を最後に姿を消してしまいました。

三浦半島・由良半島・船越半島をあわせた地域

須ノ川が、魚が豊富で、特に絶好の生息域でした。 その他の場所でもたくさんの生息が確認されましたたが、真珠養殖、魚類養殖が急速に発達したことから姿を消してしまいました。

愛媛県3地域について 参考文献: えひめ南予通信大学, 日本自然保護協会

愛媛県のカワウソは、徐々に南へと追いやられていきます。 カワウソは、10km以上歩いて異なる水系に移動することができるとされています。 河川での生息域を失い、人跡のおよびにくい海岸僻地でかろうじて生き残ったものと考えられます。 1975年4月、愛媛県宇和島市九島で捕獲されたのが国内最後の捕獲事例とされ、愛媛県総合化学博物館に剥製が展示されています。 高知県では、愛媛県の最後の捕獲事例の後も生息していたとみられ、高知県須崎市の信条川で泳ぐ姿が確認されています。 1979年の高知県須崎市での確認が最後で、それ以降30年以上、生存が確認できないことから、絶滅危惧種にされていたニホンカワウソは、2012年に絶滅種とされました。 1986年にもカワウソらしき幼獣の死体、1992年と1999年にカワウソの糞とみられるものが発見されていますが、いずれも断定できないようです。 昭和まで生きていた哺乳類の最初の絶滅宣言になりました。

ニホンカワウソは絶滅していない?

その後もニホンカワウソらしい獣の目撃報告があったものの、確かな証拠はありませんでした。 しかし、最後の目撃から38年後・2017年2月に、琉球大学の研究グループが、ニホンカワウソだと思われる生物を長崎県対馬で発見したと発表しました。絶滅の恐れのある「ツシマヤマネコ」の生態調査のために設置された自動撮影装置に映り込んだカワウソが、ニュースでも報じられました。

ただし、ユーラシアカワウソのフンが対馬で発見されていることからも、このカワウソがニホンカワウソであるか、定かではないそうです。 琉球大の教授はこのように話されました。

プロポーション、顔立ち、そのものからカワウソです。何カワウソであるかは分かりません。(中略)僕たちも対馬で(ニホンカワウソが)ずっと残ってきたということと、韓国から(ユーラシアカワウソが)泳いでいたという二つの選択肢というのは、可能性としては五分五分で考えております。

ただ、ユーラシアカワウソが韓国から泳いできたという説に関しては、カワウソが潜水できる時間には限度があり、そんな長距離を泳げるものではないと思うので、ちょっとどういう意味なのか、不思議に感じています。 また、2018年、バラエティ番組『今ちゃんの「実は…」』で、「ニホンカワウソ大捜索」と題してカワウソを探しに行きました。 取材中には見つからなかったが、釣り人・小川健太郎さんは、渓流釣りの際に2回、目撃したということでした。 小川健太郎さんについて詳しくはこちら↓

オガケン 小川健太郎

オガケンこと小川健太郎、奇才と呼ばれる釣り人に迫る

2018年8月23日
また、2018年、栃木県那須町でカワウソの目撃情報が相次ぎ、調査されたが、ニホンカワウソではなく、特定外来生物のミンクではないかという見方が強まっているとのことです。 目撃情報があったもいずれも確かな情報で、日本に生息しているか真相はわかりません。 もし、改めて発見された際には二度と絶滅しないように守ってあげたいと切に願います。 ただし、野生動物が人前に現れる時は、すでに弱っている可能性が高いとされています。 生息する可能性を見つけたとしても、そのわずかな希望を、人間が深追いするべきではないのかもしれません。


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2018年9月1日

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