琵琶湖などのビッグレイクだけでなく野池などの小規模フィールドでも効果的なヘビーキャロライナリグ、通称ヘビキャロ。圧倒的な飛距離が出て、遠方を効率的に探れる優秀なリグです。今回はそのヘビキャロについて解説していきます。
目次
ヘビキャロってなんで釣れる?
だーれも釣れてないような状況でヘビキャロをリグってる人だけ釣れてるって状況に遭遇したことはありませんか?琵琶湖のオカッパリだとよく起こる現象ですが、琵琶湖以外でも使う人が増えているようです。おかっぱり人気企画のDVD「陸王」でも北大祐さんや伊藤巧さんが、ヘビキャロで沖の魚を狙っています。
ヘビキャロが釣れる理由は、以下の2つだと考えています。
- 「ふわ〜〜」っとしたノーシンカー状態を演出できる
- (特に三又ヘビキャロで) 圧倒的な飛距離が出せる
ノーシンカーがよく釣れることは皆さんよくご存知だと思います。水流やワームの自重に任せた「ふわ〜〜」っとした自然な動きがバスに違和感を与えないのでしょう。ただし、ノーシンカーはキャストの飛距離が伸びない。小さなワームであればあるほど飛距離は稼ぎにくいですね。そこで、小さな3インチほどのワームを50メートル以上ぶん投げて、誰も狙わないポイントでノーシンカー状態を作れたらどうでしょうか。控え目に言って、釣れすぎてしまうセコイ仕掛けです(笑)
「ヘビキャロ」と一口に言っても様々だと思いますが、大きく分けると以下の2種類ではないかと思います。
- 普通のヘビキャロ
- 三又タイプのヘビキャロ
両者の使い分けですが、飛距離が必要な場面や根掛かりが多い場面で後者の三又タイプを使用すると良いです。ぞれぞれの仕掛けの作り方を解説していきます。
ヘビキャロってどんな仕掛け?
上図が通常のヘビキャロの仕掛けです。中通しの重りを通し、道糸とリーダーをスイベルで連結します。シンカーはゴム管がついてるタイプがラインが傷つかないのでおすすめです。
TGシンカー18キャロライナは伊藤巧さんも使用していました。
ただし、ちょっと投げづらく飛距離が伸びにくい。次に紹介する「三又ヘビキャロ」の方が飛距離が伸びるためオススメです。
三又ヘビキャロってどんな仕掛け?
三又ヘビキャロは、先述の通常のヘビキャロと比べるとリグるのがちょっとめんどくさいですが、断然こちらがおすすめ。飛距離が伸びて、根掛かりもしにくくなります。
三又サルカンが必要になります。三又サルカン(どんなものでもOKです)は、釣り具屋さんでは海釣りの仕掛けのコーナーにおいてあることとが多いですね。
シンカーをラインを直結せず、ここでもスナップを利用すると状況に応じてシンカーの重さを変更できて便利ですよ。エギング用のスナップが、付け替えが便利で、かつ強靭な作りであり、重たいシンカーをぶん投げても外れてしまうというトラブルがありません。「ささめ針 エギスナップ」のMサイズかLサイズがおすすめです。(ローリングタイプか否かはどちらでも構いません)
シンカーは、デコイシンカー ヘビースティックがおすすめです。個人的には、シルバーのシンカーだと水中でギラッと光ってしまうことでバスに警戒心を与えるのではないかと案じていまして、黒色のシンカーが安心して使用できます。
ヘビキャロワイヤーなるものがありますが、使っても使わなくてもどちらでもいいです。これが無ければウィードが切れないといったことも感じたことがありません。ラインを複数箇所結ぶのがめんどくさい方は使ってみるといいですね。
ヘビキャロやるならベイトタックル?スピニングタックル?
ヘビキャロは、ベイトタックル、スピニングタックルのどちらでも使用可能です。「ヘビキャロ」なので、10g以上のシンカーを使用するキャロライナリグという前提で解説しますが、他者を圧倒する飛距離を出したい場合は、以下のタックルの組み合わせがベストかな、と思います。
7.2ft以上のロングロッド(MH以上の硬さ) + アンタレスなどの高性能リール + 14lb(ナイロン or フロロ)
7.2ft以上のロングロッド + 一般的なスピニングリール + PE0.8〜1号(リーダーはナイロン or フロロ)
スピニングタックルはロングロッドであれば、ベイトタックルの飛距離を超える場合もあります。ただし、21g以上のシンカーになってくると、かなりのパワーのあるロッドが必要であり、エギングロッドやシーバスロッド級になってくるかと思います。8ft程度のエギングロッド(PEライン使用)で21gシンカーのヘビキャロを投げると、7.2ftベイトロッド(フロロライン使用)のアンタレスで投げた場合とほとんど飛距離は変わらないです。一般的なバス用スピニングロッドだとパワーのあるロッドでも14g程度までにとどめておいた方が扱いやすいですね。
スピニングロッドの利点は、ドラグ性能が優秀なことです。ドラグが使えるので、リーダーが細くても魚と激しいやりとりが可能。 PE0.8号 + リーダーフロロ8lbの組み合わせで使用することが多いですが、ロクマルの実績もあります。やはり14lbと8lbではだいぶラインの見え方が異なるので、水質がクリアであればあるほど、スピニングタックルは有利といえそうです。
ヘビキャロのライン・リーダー
リーダーラインがメインラインと同じで良いか気になる方は多いと思います。基本的に同じラインで問題ありませんが、14lb以上の太さのメインラインを使用している場合は、リーダーのみやや細くした方が食いが良いように思います。この傾向はクリアな水質においてより顕著です。
ベイトタックルのラインの太さの例です。
スピニングタックルのラインの太さの例です。
ヘビキャロに適したワーム
ヘビキャロの利点である「圧倒的な飛距離」を出していくためには、空気抵抗の少ないワームを選ぶことが肝となります。いくらヘビキャロであってもブルフラットのような空気抵抗の大きいワームを使うと飛距離は出ません。ただし、ヘビキャロでブルフラットを使うと釣れないってことではなく、むしろよく釣れます。なので、まず「どこを攻めたいのか」を決めてから、飛距離が必要であれば空気抵抗の少ないワームをセレクトしてみてください。
ヘビキャロ仕掛けのキャストの仕方、投げ方
リーダーの短いヘビキャロであれば、特別に何か意識しなくても難なく投げれますが、リーダーが長いと投げにくいですよね。ベイトタックルとスピニングタックルに分けて、キャストの仕方を解説します。
ベイトタックルのキャスト
琵琶湖の浜では、皆さん揃ってこの動画と似たようなキャストをしていますね。しっかりとロッドに重さを乗せてキャストできるので飛距離が伸びます。振り子のようにしてロッドに重さをのせているだけで、決して思い切り振り回しているわけではありません。ヘビキャロシンカーは下手すると狂気になるので、しっかりと周囲を確認してからキャストするようにしてくださいね。
スピニングタックルのキャスト
参考動画はエギングの例ですが、バス釣りのヘビキャロでも同じ要領でキャストします。「PEとフロロの結び目をガイドの中に入れないように」と解説がありますが、ヘビキャロの場合、ここは気にしなくて大丈夫です。ヘビキャロはリーダーが長いので、結び目はガイドの中に入りますが、シンカーが重たいために、結び目のひっかかりは気になりません。垂らしを長めにとっておいて振り子のようにしてキャストします。ベイトタックルと異なる点は、回転させないように投げることですね。
ヘビキャロのアクション
ヘビキャロのアクションはとても簡単です。人によって様々なのでこれが正解だというわけではありませんが、基本的に「ズル引き→ステイ」の繰り返しです。ロッドをゆっくり持ち上げるようにぐーっと持ち上げ、糸フケを巻き上げてステイです。ヘビキャロの場合は糸フケは全て巻き上げて常にラインを張った状態でOKです。ダウンショットなどの仕掛けだと、ラインをピンピンに張っているとバスが警戒してすぐに吐き出してしまうこともありますが、ヘビキャロはどんなにラインを張っていても、リーダーの先はふわふわ漂っています。
ステイの時間は、僕の場合、5〜10秒です。重たいシンカーをズルズル引いてくるので地形変化が手に取るように把握できます。「ここはかけあがりだな」とか「障害物があるな」とか気づきがあったら、ステイを長めにしたり、少し誘いを入れたりすると効果的です。ステイで食ってくる場合は「ふわ〜〜」とした自然に漂う動きが好きなので、リーダーは長めが正解の場合が多いですね。
逆に動かしているときに食ってきたり、障害物から外れた瞬間に食ってくる場合は、リーダーを短めにして、リアクションで誘うと、より結果につながるかもしれません。その場合、ロッドを軽く2、3回シャクるイメージで持ち上げます。
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